日本動脈硬化学会では2010年7月15日の社員総会にて禁煙宣言を発表しました。
喫煙は疾病発症の原因のなかで防ぐことが出来る最大のものである。動脈硬化を基盤として発症する冠動脈疾患、脳血管障害、大動脈瘤、末梢血管疾患などの心血管病では喫煙が重要な独立した危険因子であり、禁煙はこれらの疾病の発症と再発を抑制し、予後を改善するという十分な科学的根拠が示されている。また喫煙は、悪性腫瘍をはじめとする多岐にわたる疾病の危険因子である。喫煙は喫煙者本人(能動喫煙)のみならず、たばこの煙を吸うことで非喫煙者(受動喫煙)の健康に悪影響を及ぼし、動脈硬化性心血管病を含めて種々の疾病を発症させる事が多く報告されている。実際、建物内とそれに準じる空間を禁煙とする受動喫煙防止条例(スモーキング・バン)の施行によって急性冠イベントが減少するとの報告が最近欧米諸国から多くなされている。我が国は受動喫煙防止に対してもっと積極的な取り組みを推進すべきである。まず、病院・医院や学校の完全禁煙を実現し、さらに職場やサービス産業など多数の者が集まる施設に拡大させ、欧米並みの受動喫煙を防止する法律の成立をめざす必要がある。
日本動脈硬化学会は以下の取り組みを通じて禁煙活動を推進する。